こんにちは。美聖です
前回、やっと緩和病棟に入院できた旦那。
広~いトイレ(3畳はある)は部屋の中にあって
それもベットの横にあるし
ベットも自動で動くのよ~奥さん(笑)
荷物を全部、入れるとこに入れて
旦那もベットに寝て
ホッと一安心していると
また、主治医の先生がヒョコっと病室に顔を出してくれて
「骨の転移が広がってるから痛みが増したみたいやわ。
旦那さんが麻薬はイヤって言うから
今まで使わなかったけど、これだけ痛みが辛いんだったら
使って楽な時間が増えた方がかえって体には負担がないと思うよ~。」と言われました。
放射線治療・・・受けるのが遅かったか・・・
と悔やんでいると旦那が
「先生!麻薬はイヤや!!」と断固拒否。
そうなんです。
旦那は痛みがひどくなってきてからも
モルヒネとかの麻薬はイヤってすごく頑なに断っていた。
なんでかっていうと
これまた、旦那が看取った自分の父親が肺がんで亡くなった時
モルヒネを使っていたらしくて
「せん妄」と言われる幻覚症状が現れて
わけのわからないことを言ったり、徘徊するようになって・・・。
旦那はお義父さんのことを尊敬していたから
そのお義父さんのそんな姿を見たのが
耐えられないほど辛かったらしく
自分は絶対あんな醜態をさらしたくない!と思っているんだとか。
それを旦那は主治医の先生にも前々から伝えていた。
先生は今まで「そ~か~」と聞き流してくれてたけど
今回は
「あのな、お父さんがモルヒネを打ってたのは
10年以上前やろ?
今とは薬も、薬の使い方も10年前とは違うで?
でもな~・・・そんなにイヤだったら
モルヒネよりは軽い麻薬やったらどうやろ?
量も毎回、投与する時に調整してから打つし
怖がっているような状態にはならないように気を付けるけど」と言って下さいました。
旦那は「モルヒネよりは軽い」という言葉に安心したみたいで
先生の言葉を受け入れ
痛み止めとして麻薬を使うことになりました。
旦那と二人で「いい先生でホントに良かったね」と
それから、ちょっと元気になった旦那とおしゃべりをして
「明日も来るから、今日はそろそろ帰るわね」と旦那に言って
病室を出てナースステーションの横を通って帰ろうとしたとき
ナースステーションに居てた主治医の先生に呼び止められました。
「奥さん、ちょっとだけ時間いいかな?」と言われ
カウンセリングルームという小っちゃい部屋に私だけ呼び出されて
先生がドアをパタッと閉めると
「あのな、奥さん。
旦那さんはあと3カ月も、もたないと思う。
心の準備をしといてね。
これからは
お子さんも小っちゃくて大変やと思うけど
なるべく毎日、長いことそばに居てあげたって。」と言われた。
(あ~あ・・・ついに言われちゃった・・・聞きたくない言葉だったな・・・。)
とビックリするより、ガックリしてやっぱりかと思うだけだった。
思えば今まで、いろんな心無い人に
「あと半年でお陀仏だ。」とか
「あと1年もてば万々歳じゃないですか?」とか散々言われてきたけど
(なに言うてんねん旦那は復活するんじゃ)って思ってた。
だけど、この先生が言うんだったら
そうなんだろ~な~・・・。
「わかりました。」と答えるのが精いっぱいで先生とお別れして
病院の出口近くで
トイレ行っとことトイレの個室に入った途端
私の両目から涙がしたたり落ちてきた。
自慢じゃないけど、私は泣くときはいつも豪快な泣きっぷりで(笑)
他人の苦労話を聞いてもらい泣きしたりすることも
しょっちゅうある泣き虫なんだけど
泣き方が・・・
必ず「フェッフェッ」と嗚咽を漏らし
顔は歪み、涙と鼻水はダ~ダ~
苦労話してる本人より号泣状態に見えて
ドン引きされるから
正直、恥ずかしくて人前であんまり泣き姿は見せたくないくらいなんだけど
この時は
涙だけが本当に滝のように流れてきて
え?私って今、泣いてるんかしら??って
わからなかった。
そして、なぜか
その後、個室の中で一人で貧血おこしてた(笑)
(あ、私・・・ショック受けてるんや~~・・・)って
なんか自分のことなのに、他人事みたいに思ってたな~(笑)
その日は貧血が治まるのを(一人でトイレの個室で)待って(笑)
帰ったんだけど
翌日、旦那の病室に行くと
その後の私の人生に大きく関わる出来事があったのでした。
つづく